これまで見てきた盆踊りと異なるのは、新野では「扇」を使うことです。
踊り子はみんな帯に扇を一本差していて、4種類の踊りでは、これを広げて使います。持ち方も、親骨を指でつまんだり、要(かなめ)の部分を持ったりと、バリエーションがあって興味深いものです。扇を使うのは、伊勢音頭の影響という説があり、各地に扇を使った盆踊りが残されています。 |

新野では扇が必須 |

呉服店もいろんな扇を扱う |
いっぽう足ごしらえは草履の人が多く、下駄の人はあまり多くありません。
それから、非常に大きな特徴は、ここではお囃子・太鼓を使わず、肉声だけで音頭をとることです。櫓の上では、アカペラの主唱者に何人かが声をそろえて音頭を取り、踊り子の方はこれに合いの手やかけ声を返して応えます。むかしながらの、素朴な「掛け合い」のスタイルです。郡上あたりも、大正ころまでは同じような感じだったようです。 |
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| 「休憩所」に倒れ込む |
10:00過ぎ。
踊り子の数も増え、盆踊りはだいぶ賑やかになってきました。
踊りはぜんぶで7種類あり、うち6種類が繰り返し踊られます。「踊りは足から」といった一般原則も知って、踊りを覚えるのには多少自信がありました。しかし、ここの踊りは扇をつかう(少し「舞い」に近い感じ)ものが多いためか、慣れない扇の動きに気をとられてなかなかコツがつかめません。
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舞に近い「扇踊り」 |

こちらは元気な「手踊り」 |
囃子のない新野の盆踊り歌頭は素朴で素敵なのですが、この時間帯はけっこう単調でキツイ感じです。
さすがに「徹夜踊り3日目」という疲労もあって、11:00を過ぎると厳しい眠気が…。
古い民家の町屋の一階にある例の「仮設休憩所」をのぞいてみます。どうやらさっきの「講演会」も終わった様子。はじに毛布が積んであり、すでに見物客らしい何人かの人が毛布を敷いて早くも寝込んでいる様子。われわれ2人も、これさいわいと上がり込み、荷物を枕に毛布に倒れ込みます。
未明にあるという神秘的なクライマックスだけは見逃したくない。あまり深く寝込まないようにしなければ… |