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宗教・信仰
法然の衝撃-日本仏教のラディカル- 阿満利麿著 人文書院
1989.10.20 2000+税円
なぜ法然の専修念仏は日本に根付かなかったのか。中世日本の精神史を通じて、日本人の宗教意識にビビッドにせまる。
宗教の深層-聖なるものへの衝動- 阿満利麿著 筑摩書房
1995.1.9 980円
日本人の宗教意識研究をライフワークとする著者が、宣長、漱石、柳田国男などの作品から日本人の「たましい」の在処への希求の足跡をたどる好著。新野盆踊りの送り神送りを紹介した感動的な一節は、新野探訪のきっかけとなった。文庫再録版
葬式仏教 圭室諦成著 大法輪閣
1963.10.20 2400
中世~近世の仏教信仰史ではいまだに基本文献。
祖先崇拝-民俗と歴史- 竹田聴州著 平楽寺書店
1957.10.1 2400円
日本のイエと祖先信仰問題の基本文献。盆の祖霊信仰を理解する上でも重要な内容。
現代日本の祖先崇拝-文化人類学からのアプローチ- ロバート.J.スミス著 前山隆訳 御茶の水書房
1996.4.5 6180円
「外国人」の「文化人類学者」による「現代日本」の祖先崇拝研究という、日本民俗学を相対化するユニークなスタンスの研究書。文化人類学者らしい位牌のフィールドワークを通じた実証研究から、現代日本人の信仰意識に迫る内容にはうならされる。
中世の民衆と芸能 京都部落史研究所編 阿吽社
1986.6.15 2000円
中世芸能民のアンソロジーと研究者の対談を通じて、時代の雰囲気が伝わる。松囃子など風流芸能の解説も。
中世の板碑文化 播磨定男著 東京美術
1989.11.25 2575円
中世時衆文化などを物証から知ることができる「板碑文化」の総合解説。
図説 蓮如 河出書房新社編集部編 河出書房新社
1997.2.5 1854
蓮如の足跡を写真でたどる。解説は通説ベース。
一遍聖人と聖絵 高野修著 岩田書院
2001.6 1000円
時衆研究で知られる氏が、聖絵をベースに一遍の足跡と思想をわかりやすくコンパクトに解説。
一遍聖絵 聖戒編 大橋俊雄校注 岩波書店
2000.7.14 500+税円
一遍研究の基本書であり、貴重な生活風俗史料でもある「聖絵」の文庫版。時衆研究者大橋氏の校注。
遊行聖-庶民の仏教史話- 大橋俊雄著 大蔵出版
1971.2.25 650円
わが国念仏信仰史をベースに、「遊行聖」という独特の信仰者の姿を明らかにする。中世民衆仏教・時衆の論考などは参考になる。
神道-日本生まれの宗教システム- 井上順孝編 新曜社
1998.12.15 2200+税
日本人が知っているようで知らない神道の知識を手際よく整理してある。御霊信仰など中世精神史への手がかりも得られる。
時衆教団の地方展開 金井清光著 東京美術
1983.5.10 18000円
一遍死後、二祖他阿真教以降の時衆教団の全国展開を、自らの足でたどりつつ明らかにしていく圧巻の本。本願寺教団に拠点を奪われてゆく様子も興味深い。
中世文学
梁塵秘抄のうたと絵 五味文彦著 文芸春秋
2002.1.20 700+税円
閑吟集に先行する中世初期の代表的民間歌謡集への入門書。
閑吟集-孤心と恋愛の歌謡- 秦 恒平著 日本放送出版会
1982.11.20 950円
盆踊り歌の源流となる、中世小歌のこころにまで踏み込んだ快著。室町民衆の生命の躍動がビビッドに伝わる。
閑吟集を読む 馬場あき子著 弥生書房
1996.3.15 2000円
「鬼の研究」で知られる詩人馬場氏の解説。女流文学者らしくしっとりと読んでいく。
漂泊の中世-説経語り物の精神史- 鳥居明雄著 ぺりかん社
1994.5.20 2560円
盆踊り口説きの歌詞や浄瑠璃に大きな影響を与えた中世説経文学。本書は代表的な3篇を読み解き、中世人のこころにビビッドに迫る。圧巻は「さんせう太夫」。主人公は安寿であることが示され、三郎との宿命的・対称的な「滅び」の関係にはエロスさえ漂う。説経文学のおもしろさにはまる好著。
新潮日本古典集成 説経集 室木弥太郎校注 新潮社
1977.1.10 3000+税
山椒太夫、石道丸と苅萱堂、小栗判官、松浦長者など代表的説経文学に詳細な注釈を加えた。
旧暦と暮らす-スローライフの知恵ごよみ- 松村賢治著 ビジネス社
2002.11.22 1600+税円
旧暦本の先駆。一見複雑な旧暦のシステムを図入りでわかりやすく解説。旧暦カレンダー付き。
旧暦は暮らしの羅針盤 小林弦彦著 NHK出版
2002.12.10 680+税円
繊維業界の旧暦お天気博士。日本人の季節感の再認識に手軽。
きもの・はきもの
下駄-神のはきもの- 秋田裕毅著 法政大学出版局
2002.3.1 2900+税円
盆踊りには欠かせない「下駄」の素性を探求。「下駄は聖なるはきもの」という結論で、念仏踊り者の下駄にも着目しており興味がそそられる。
辞典・事典
<縮刷版>日本民俗事典 大塚民俗学会編 弘文堂
1994.6.30 5700+税円
踊り念仏、盆踊りなどの項は重要
図説民俗探訪事典 宮田登他編 山川出版社
1983.4.11 1800円
ハンディな民俗知識の概説書。盆行事、芸能などの解説あり。
民俗芸能事典 西角井正大他著 東京堂出版
1981.9.25 5800円
全国各地の民俗芸能と民俗芸能用語に関する解説事典。盆踊り・踊り芸能関係の情報量も多く便利。
日本宗教事典 村上重良著 講談社
1988.7.10 980円
日本における宗教の知識をコンパクトにまとめた事典。各種念仏信仰の概要を得るのに便利。文庫版に収録された。
新版・ことば遊び辞典 鈴木棠三著 東京堂出版
1981.11.15 5800円
盆踊り小唄の持つ「ことば遊び」の性格を理解するのに最適。膨大な地口や「なぞ」を収録し、笑いながらも日本の言語文化の奥深さにあらためて気づかされる奇書。
資料
日本随筆集成 第一期第12巻 おもひくさ 環魂紙料 日本随筆大成編輯部 吉川弘文館
1975.11.1 2900円
江戸期随筆は、盆踊り始め民俗資料の宝庫。「環魂紙料(すきみたま)」は、有名な小町踊りの解説とかわいらしい図版の掲載で有名。