全国の”盆踊りのふるさと”をめぐる旅。その旅路の果てにいつも立ち戻る場所が、わたしたちのふるさと「神奈川県藤沢市」です。

藤沢が誇る歴史文化拠点である時宗総本山「遊行寺」は、一遍上人ゆかりの寺。
その一遍上人が、藤沢市の片瀬で踊った踊り念仏が、盆踊りのルーツと考えられています。
遊行寺には、薄念仏や、踊り念仏が今も伝承されています。

市の北部には、「ささら」と呼ばれる独特の楽器を使う、江戸期以降の珍しい盆踊りが伝承されています。
かつては少年少女が主役の盆行事「こなしっくら」が、あちこちの集落で見られました。

「東京音頭」を創った中山晋平の作曲、「郷土芸能と盆踊り」という盆踊り研究に欠かせない著書を
もつ、小寺融吉の作詞である、「名月 江の島おどり」(1933年)や、島倉千代子の歌う「藤沢やなぎ小唄」など、
新民謡の名曲も揃っています。

また、民謡民舞のお師匠さんたちも、充実しています。

藤沢は、盆踊りのふるさとの1つなのです。

2006年、この藤沢で、踊り念仏や盆踊りなどの伝承文化を地域再生に活かそうという動き「藤沢宿 遊行の盆」がはじまりました。

有名な盆踊りがあるわけでもなく、現在、踊りが特に盛んというわけでもない。でも、盆踊りを楽しんだ記憶はまだ人々の
心の中に残っているし、伝承の盆踊りを伝えようとがんばっている人もいる。

そんな状況だからこそ、藤沢の取り組みは、わが国の盆踊り文化の再創造に向けて大きなメッセージになると思われます。
私たち「湘南盆踊り研究会」も、微力ながらこの取り組みのお手伝いをさせていただいています。

単に盆踊り大会でなく、歴史を踏まえ、かつ、自由な発想で、トライができる。そんな盆踊りに発展してもらえればと思っています。

湘南盆踊り研究会一同

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