踊りの概要

◆郡上踊りで踊られる踊りは、現在10種類あります。
◆踊りの形態はすべて「輪踊り」で、中央の踊りやぐらを中心にまわりながら踊ります。
◆踊りの進行方向は、時計回り。「げんげんばらばら」のみ、反時計回りとなります。

◆踊りの輪は一つに統一されていますが、人が増えてくると、輪は二重、三重になっていきます。
踊りの輪は、時には四方に伸びて非常に大きくなりますが、保存会の方々が隅々まで気を配って踊 りをリードし、踊り手はそれにあわせて、踊りの輪の統一性を保ちます。
◆「徹夜踊り」の際など、若者のグループが躍り込んだりします。

かわさき

郡上踊りを代表する踊りです。
代表的歌詞「郡上の八幡出てゆくときは 雨も降らぬに袖絞る」はあまりにも有名。
木曽や山梨県奈良田地方など、各地に伝播しています。
伝承の「古調かわさき」の曲調をベースに、大正時代に創作されました。「古調かわさき」と区別して「新かわさき」とも呼ばれます。
この「かわさき」は、郡上踊りの基本となる踊りで、一晩のうちに何回も繰り返し踊られるため、覚えるチャンスも多いのです。まずはこれを覚えてしまうのが、郡上踊りを楽しむ第一歩でしょう。
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うた
基本パターン:
「音頭」を「合いの手」が後半模倣するタイプ。三味線音楽の代表例。

(囃子)
(音頭) ぐじょうのナー はちまん コラでてゆくとーきーは
(合いの手)ア、ソーレンセ
(音頭)あめーもー ふらーぬーにー そでーしぼーる
(合いの手)そでーしぼーるーノーそでしーーぼーる
(音頭)ア、ソーレンセ
(合いの手)あめーもー ふらーぬーにー そでーしぼーる

代表的歌詞
7775の小唄形式。

「郡上の八幡出てゆくときは 雨も降らぬに袖しぼる」

古調かわさき

「新かわさき」の原曲となった踊りです。
「かがさき踊り」
うたは「新かわさき」と共通ですが、踊りと旋律に古調を残しています。

踊り方
「新かわさき」に比べ、古調を残した単純で素朴な振りです。
うた
代表的歌詞:新かわさきとほぼ同じ。

三百(さんびゃく)

古風な感じの踊り。曲調は、「古調かわさき」との類縁関係も指摘されている。

うた
代表的歌詞

あ、そーろーえーてごーざーれ ホイ
あーずきょかーすよに ごーしょごーしょと

げんげんばらばら

郡上踊りの代表的な踊りの一つ。
始めに「げんげんばらばら 何事じゃ」という、謎のような歌詞で始まるので有名です。
長い物語りや数え歌をうたっていく「口説き」形式の歌詞です。この歌い始めの歌詞は有名で、柳田国男の分析などいくつかの説があります。

踊り方
この曲だけは「反時計回り」になります。
おもしろい踊りです。
飛んだり跳ねたり上下運動が激しい。
うた
基本パターン

代表的歌詞:
「げんげんばらばら 何事じゃ
親はいないが 子もないが

春駒

これも郡上八幡が発祥で、全国的に有名な踊りです。
もとは「さば」という名前から名称改称。 元気な跳ね踊り。

うた
基本パターン

冒頭詞「あ、しちりょうさんぶの、はるこまはるこま」(囃子)
「(ホイ)郡上は馬どこ(ホイ)あの摺墨の名馬(ホイ)
出したも(ささ)気良の里」(あ、しちりょうさんぶの はるこまはるこま)

やっちく

「アーラ、ヤッチクサッサイ」 すばらしい曲 哀調を帯びた
長い歌詞の歌を単調な繰り返し曲調に乗せて歌い継いでいく「 口説き」に属します。
口説きの歌詞には「鈴木主水」などの近世の流行歌のほか、郡上でつくられた名曲「宝暦義民一揆」などが唄われます。

うた
代表的歌詞

「わたしが ちょいと出て べんこそなけれど」
「わたしゃ郡上の 山中やに住めば」
「おみかけどうりの 若輩なれば」
「声も立たぬがよ 文句やも下手よ」

猫の子

ちょこちょこっと両手を腰の横で振りながら回っていく仕草が、子猫の仕草をまねているといわれます。
郡上一円に広く分布する踊りです。
徹夜踊り以外の夜は踊られる機会は少なく、最後の方に1回くらいでしょうか。なかなか覚えるのは難しいかもしれません。

うた
代表的歌詞

「あはよーほいよーイオヨーオイ  猫の子がよかろ 猫の子がよかろ」

*聞き所「猫の遠吠え」
唄い出しのところでよく聞いていると、「ニャオニャオ~ン」という猫の遠吠え(笑)が聞こえてきます。

さわぎ

うた
代表的歌詞

「ハア 飲めよ騒げよ 一寸先ゃ闇よ」
「今朝も裸の 下戸が来た」

郡上甚句(ぐじょうじんく)

江戸時代の流行歌を取り入れたものです。

うた
代表的歌詞

「櫓よー 太鼓に ふと目を覚まし」
「明日はよー どの手で こいつぁ投げてやる」
(トコ ドッコイドッコイ)

まつさか

「まつさか」は踊りの晩の最後に1回だけ踊られるという、儀礼的な意味のある踊りです。
哀調を帯びた静かな曲調で、一晩の踊りの最後を飾るにふさわしい、味わい深い踊りです。
「ア、ヨイヤナ、ヤートセ」のかけ声は、江戸時代に流行した伊勢音頭に由来するもので、全国の盆踊りに広く見られます。
冒頭の歌い出しが古態を残すものとして著名です。拍子木の音

踊り方
振りは比較的単純。これも古態。
うた
代表的歌詞

よーほい も一つしょ
(おーさて 合点しょ)

合点と声がでるなら
(コライ コライ)
これから文句にかかりましょ
(ア ヨイヤナ ヤートセ)

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