できあがった7つの創作盆踊りは、創作部会関係者にとっても思い入れの深いものとなりました。

ここでは、メンバーから寄せられたメッセージをもとに、創作盆踊りの見どころ(&聞きどころ・踊りどころ)に迫ります。

白石 征 氏(演出家/創作部会リーダー)
盆踊りは、先祖同胞の亡き霊を踊りの輪に招き、一夜の再生、再会を願うというもので、われわれ日本人の幸福感と分かちがたく結びついています。

この世の者にとっては永生感が育まれ、死者にとっては、その魂が還ってくることのできる懐かしの我が家であり、我が郷土ということになるからです。

老若男女が相和し、いきいきと暮らしていける街とは、言葉をかえれば、私達を見守ってくれる死者の目差しを感じ、ともに生きていると実感できる、そんな街であるということを、この盆踊りは教えてくれています。
 
藤沢の伝統文化の再発見、再創造をめざした今回の創作踊りは、藤沢の盆踊りのさまざまな可能性を想定して、六つの組踊り(*)で構成しています。

一遍上人ゆかりの「和讃念仏踊り」をはじめ、従来の盆踊りスタイルのものから男女が呼びかけ合う「かがい」的なもの、さらには片瀬につたわる子供たちの「悪口歌」やマザーグースによる「わらべ踊り」といった子供たちによる盆踊りも織り込んでみました。

白石 征氏
作曲いただいたJ.A.シーザー様、振付をいただいた花柳輔礼乃様、斎藤千雪様をはじめ、多くの皆様方のご協力に深く感謝を申し上げます。
平成18年「藤沢宿 遊行の盆」パンフレットより
(*)7種類の盆踊りが創作されたが、遊行の盆当日発表されたのは「マザーグースのおっかさん」を除く6曲だった。