静岡の名河・安倍川の上流地帯に、全国的にも貴重な風流系盆踊りの伝承地帯があります。有東木盆踊りはその代表的存在。中世の風流踊りのカタチを伝える風流灯篭「張り笠」は、わが国盆踊り文化の”至宝”です。
安倍川を遡行して到着した有東木は標高600m、霧深き”山葵(わさび)とお茶の里”でした。風流踊りの波は、時間・空間を遥かに隔てたこの地までどうやって到達したのでしょうか?歴史のロマンを感じます。

東雲寺境内に提灯がともり、盆踊りが始まります。中世にさかのぼる古風な小歌に加えて、扇子あり、コキリコあり、ささらあり!風流灯篭も見事ですが、それだけではない、実に内容豊かな伝承文化と多彩な踊りが繰り広げられていきます。途中には、よさこいあり、現代系盆踊りあり、福引大会ありと、若い衆苦心のプログラムが飽きさせません。貴重な民俗文化を伝える盆踊りが、そのまま集落のみんなで楽しむ手づくりの盆踊りになっている-踊って、笑って、食べて、喋る人たちの表情を見るうちに、そのことに気がつきました。現代社会が忘れたコミュニティの”きずな”って、もしかしたらこういうものなのでしょうか・・・。

お土産に頂いた自家製の本山茶は、びっくりするほどの美味しさ!立ちのぼる新茶の香のむこうに、遥かな安倍奥の風景がもう一度浮かび上がりました。

開催情報
日程 8月14、15日
場所 静岡市葵区有東木東雲寺境内
アクセス
(公共交通)
静岡よりバス約50分、終点有東木下車。*宿泊施設はありません。

 

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有東木盆踊り  

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東海北陸の盆踊り